再びバトル! (1/16)
10月に入り、アンサンブルコンテストの練習もいよいよ本格的になってきた
11月中旬に校内予選をやることになり、それに向かって各チーム頑張っているところだ
それと同時に、来年の定期演奏会の話し合いも始まった
それは2年生が中心に話し合っている
「…ちょっと、合わせるよ」
「あっ、ごめん」
麻里乃の声で我に返った
今日の彼女はどこか不機嫌だ
「ったく、時間ないんだから集中してよね。…じゃあ、最初から15小節目まで」
「「はい!」」
数小節通すと、麻里乃は再びイライラした様子で言った
「都ちゃん遅い!低音がテンポ引っ張ってたら曲になんないんだけど。メトロノーム見てた?それから、トロンボーン2人ピッチ悪すぎ。ほぼ隼人くんだとは思うけど、もっとお互い聞いて合わせてよね!」
「あのさ、さっきから思ってるんだけど、麻里乃言い方きつすぎ。こっちまで気分悪くなるからやめてくんない?」
「は?あたしはほんとのこと言っただけでしょ!?」
あたしが注意すると、突然麻里乃は怒鳴り出す
その場が静まりかえった
「…ごめん、頭冷やしてくる」
ばつの悪そうな表情で、彼女は教室を飛び出してしまった