ね、食べていい?
◆[ぱにっくワンコ。](1/43)
 
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――そして少し時は流れ、花火大会の日。


私はちょこっと張り切ってみた。





「どう、かな?」



コタローんちの玄関前で、目の前には勿論コタローくん。


照れくさいから若干下を向きつつ。

あまり着慣れない浴衣と履き慣れない下駄を身に纏い、恐る恐るといった感じでそう問いかけた。


だって今年のこの着付け、下手なりに自分でやったからさ。




でも……あれ?


コタローからの返事はナシ。


無表情、無声、無動作。

所謂ノーリアクションってやつです。



……やっぱり、着付け変だったのかな……?


下手くそなのに、無理して自分で着なきゃ良かったかな……

それか、浴衣が似合わなさすぎるのか……



急に不安が押し寄せてきたその時。




「…………やっべ。」



ポツリと一言発したかと思うと、無表情のまま私の両肩を力強くガシッと掴んだ。




「こ、コタロー?」



急にどした!?

さっきまでノーリアクションだったのに!


ちょっとビックリして、名前を呼ぶと。




「奈緒ちゃん可愛すぎてヤバい。犯罪。」



 


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