ヤンキーな奴は突然に
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残っていた仕事もなんとか終わって腹も減ったしコンビニでも寄ろうと思った。
最近ちゃんとしたものを食べていないのでまずはリーマン必須の栄養ドリンクをカゴに入れる。遅すぎる夕飯を選びに弁当コーナーへ向かうと、もう品数も少なくガラガラだった。仕方なく一番良さげなあさりのボンゴレを手にしてまたカゴへ。酒は家にストックがあるのでそのままレジで会計を済ませた。

テンポのいい音楽に送り出され外に出ると秋の空気間が心地よかった。暑くもなく寒くもなく丁度いい秋の季節が一番好きだ。帰ったら真っ先にシャワーを浴びよう、と、頭の片隅で決定しながら無意識に内ポケットを探ると

「…………ない」

もう一度わかっているのにゴソゴソと手を移動させるがあるはずの携帯がない。
…そんなまさか。



そして俺は今頃家でシャワーを浴びていたと思われる時間に帰り道を逆走していた。
チラリと腕時計に目をやるともう戸締まりしてあるだろうという時刻に小走りから結構なペースで足を早めた。こんな時間に俺としたことが…。
多分疲れていたのだろう。早く我が家へ帰りたくてパソコンを閉じたらそのままデスクの上に置きっぱなしにしてしまったに違いない。

走ったおかげでコンビニ袋はゆっさゆっさと揺れている。パスタがきっと無残になっていることを想像したら気分が落ち込んできた。



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