友達というカテゴリー


◆いない君 (1/1)

何処かに消えた友達…





朝日が窓から私の顔を照らす頃


私はゆっくりと目を開ける。



優奈「………。」



昨日の友梨の事でなかなか寝付けなかった私。


目覚ましを止め


携帯のアラームも止めようとした時


携帯の小さな光りが私を呼ぶ様に点滅していた。



それを見つけた私は


そっと携帯を手にとり


アラームを消して


画面を見ると……





[メール一件]





の文字が見えた。





なぜか開くのが怖い自分。


でも





優奈「友梨……。」





私は自然にそう呟いて


メールを開いて見た。


そのメールは美穂からだった。





[夜遅くにごめん。昨日,友梨が休んでて気になったからバイト先に行ったんだけどいなくて,電話してもつながらないし…優奈は知ってる?親友だから,何か知ってるかなーっと思って。友梨の事で何か知らない??知ってたら教えてね!]





友梨はどうしたんだろう……



心配になった私は急いで着替えをすまして


朝早くに友梨の家まで走って行った。



朝日がまだ上がりきらない早朝に


私は友梨の家に全力で走っていた。



優奈「はぁ……はぁ……はぁ……。」



友梨……


友梨の家の前に立つと


静けさの中に鳥の鳴き声が聞こえ


何かを伝えようとしている。


私はそっとインターホンを押す。





「………。」





返事がない。


もう一度呼びかけるように押す私。





「………。」





友梨……


何処にいったの?





それから私は


何故か学校には行かずに


友梨を探す事にしたんだ。



嫌な予感を断ち切りたい。


だから


友梨が行きそうな所を必死に探し回った。





公園……



ゲーセン……



カラオケ……



ボーリング場……



モール……



コンビニ……



バイト先……





必死に探した。



でも


何処にもいない……




優奈「友梨……何処にいるの?」





息切れが起きながらも


私は諦めずに必死に友梨を探した。



何もなければいい。


でも


私が知らない所で友梨が苦しんでる気がする。


何故か


そんな感じがする……









いつの間にか空はオレンジ色に色を変え


探し疲れた私は


学校近くの土手に座っていた。





昔はいつもここで


小学校の帰りに


友梨と一緒に夕方まで遊んでたっけ……


懐かしくて楽しかった記憶。





…………………………………………………





友梨「優奈(笑)こっちだよ!」


優奈「待ってよ〜友梨!」



土手の野原で走りまわる二人……



友梨「あぁ〜面白い(笑)」


優奈「友梨…早いよ〜。」


友梨「ごめんね…優奈。」



私の頭を優しく撫でてくれる友梨。


周りから見たら対象的な二人だった……



だからこそ


二人のダメな所を補って


二人で一人前の様に


いつも二人で一緒にいた。



友梨「優奈……優奈は楽しい事好き?」

優奈「楽しい事?」



夕日が二人を包む……



友梨「いつも笑うぐらい面白い事!」


優奈「うん!大好きだよ。」


友梨「そっかぁ〜(笑)じゃあ,優奈がずっと笑顔になれる様に,私はいつも元気でいるね!」


優奈「うん!」



今考えると


あの時に言った友梨の言葉は何だったんだろう。


幼かった私は何も考えずに返事したけど


何かを意味してたのかな……



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