◆不安が広がる想い (1/1)
友達のためにできる事。
先生「松田友梨は欠席か……。」
出席をとる時にも
友梨の姿はなかった。
美穂「友梨どうしたんだろうね。」
美穂が心配そうに友梨の席を見つめる。
久しぶりに私は学校に来て
友梨の姿がない。
なにか心に穴が空いた様な気持ち。
あんな事があったのに
周りの友達は何故か私に快く声をかけてくれる。
休み時間
三咲が私に話かてきた。
三咲「優奈,久しぶり。元気だった?ものすごく心配したんだよ。なんか今まで……ごめんね。優奈が正喜くんと別れてから正直声かけづらくてさ。」
「私もごめん。急に何か変な感じになって。また,仲良くしよ。」
優奈「う……うん。」
何故か周りの皆が私に優しくする。
なんで…?
そんな事よりも
私は友梨がいない事の方が気になっていた。
こんなにも私のそばにいてくれて
私を救ってくれた友梨。
それなのに友梨が席にいない。
教室の窓から見える空が
何故か悲しく見えた。
時間の経過と共に流れる授業中の先生の声も聞こえない。
ノートは真っ白なまま教科書も同じページ。
黒板の上の時計も
時間が止まった様に思える。
そして
私はおもむろに携帯を取り出した。
[友梨,何かあった?]
送信……
届かないと知っていても
心配な気持ちがそうさせたんだ。
夕方……
吹奏楽の練習の音がうすっら聞こえる中
私はゆっくりと教室を出ていく。
なぜか学校が冷たいコンクリートの固まりの様に感じ
歩く音が切なく廊下へと響く。
なにか
嫌な予感がする。
そんな気持ちのまま家に帰っていった。
母親「優奈,久しぶりの学校はどうだった?」
優奈「大丈夫だったよ。」
母親が私を心配しながらそう呟いた。
[大丈夫……]
今の私はそうかもしれない。
でも友梨の事が気にかかる。
私の気のせいならいい。
それなら何も心配いらない。
その夜
友梨からの返信メールは
結局
なかった。
私はベッドで心配しながら眠りについた。
その後に起こる現実も知らずに……
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