友達というカテゴリー


◆再会 (1/1)

友梨との友情を知った優奈。そんな時に再会してしまう。





【私には大切な友達がいる……。】





こんなにも近くにいたんだ。



手を繋ぐ


ただそれだけで知る気持ち。



ただそれだけで


つながる心。



友梨の手が私を温める。


忘れていた記憶が私にそう呟いた。










その日の夜。


病院で過ごした時間は


本当に特別なものになった。



何か探し物を見つけた様な感覚で


痩せた右手で携帯の写真を見る私。


そこには友梨と二人で撮ったプリクラが写っていた。





優奈「まだ,残ってたんだ……。」





この保護のマークが


私の本当の気持ちだったのかな。



あの時の二人は笑顔のまま


楽しそうに


そして壊れる事を知らない表情が私には悲しく見えた。



私はまた


涙を流す……


今までと違う涙を……










翌日……



衰弱していた私はまだ病院にいた。


両親が私の身の回りの世話している。


ママが何も答えないのは


私の苦しみが理解できないから。


それでも無言の優しさで包んでくれる。



優奈「ママ……ごめんね…。」


母親「いいのよ,気にしなくて。優奈は早く元気になる事だけを考えてね。」


優奈「ありがと……。」



私は悪い子だね。


こんなにも自分の事で心配させて。





母親が帰ったあと


私は窓から見える雲を見ていた。


普段は止まって見える雲も


今は動いて見える。


私自身もそうなんだと


教えるように見えた。



「優奈……。」



その時


聞き慣れた声が私の耳に聞こえた。


声のする方へ自然と振り返えると



優奈「!!!」



私は驚いて


声が出ない。


そこには正喜の姿があった。



正喜「優奈…久しぶり……。」



どうして……



正喜「先生から聞いてさ。優奈が入院してるって言ってたから。病院も聞いたんだ。」



なんで……



正喜「優奈……大丈夫か?」



なんで


ここにいるの……



正喜「なんか優奈と別れてから,またいろいろあって……考えて。そんな事してたら,優奈がずっと学校を休んでるって聞いたから。心配になってさ。」



声が出ない……



正喜「別れたのに変だよな。」



でも


知りたい。



正喜「優奈は俺のことなんて忘れた?」



真実を……



私はどうしても知りたいと思った。


でも恐怖で震えて聞けない私。


これ以上もう傷つきたくないと体か反応してる。


友梨が言った事は本当に真実なんだろうか……



正喜「優奈,別れてから結構たったけど……俺,なぜか忘れられないんだ。」



そんな事言わないで!!


心がそう叫ぶ。



正喜「優奈がこんな状態で,こんなこと言うのもおかしな話だけど……」



聞きたくない!!!



正喜「やり直してほしい。」



そんな……やめて……。



友梨「優奈!雑誌買ってきたよ。」


優奈「!!!」


友梨「う……嘘でしょ。」


正喜「友梨,お前も見舞い……」



そう正喜が言おうとした瞬間


友梨が正喜の顔をひっぱたいたんだ。



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