友達というカテゴリー


◆暗闇の光 (1/1)

泣きつづける優奈。泣いて自分を知る。





どんなに泣いてもまた朝がやってくる。


もう見たくない太陽でさえ


毎日


部屋を明るくする。



心配する両親なんて気にせずにガムテープで窓の光を隠した。


部屋の鍵も閉めたまま


窓の隙間から入り込む一本の光がキラキラと光っているのが見える。



私はそっとその光に手を近づけた


その一本の光が遮断され


キラキラしたものも見えなくなった。



私の描いていたものも


こんな風に何かで遮断され


輝きを失った。





友達……





手を下ろした瞬間に


私の手がiPhoneに触れた。



音楽が自然と再生され


イントロが心を締め付ける。





優奈「私の好きな曲……」





Aメロからサビまで


私の理想の道だった。



こんな事になるなんて誰が予想できたのかな。


私の心から小さな言葉が零れた……





優奈「友梨……ごめんね。」





素直に言えたらどれだけいいか。


心が成長していくたびに出なくなる勇気。



大切な事を私は必死に忘れて


いつの間にか


こんな私になってたんだ。



目を閉じるたびに


友梨の泣き顔が浮かんでくる。



私は友梨をいつのまにか遠ざけてたんだね。


私が勝手に自分を決めつけて


友達に勝手にストレスを感じて


そんな自分を私自身が作ったから


心が無理してるから


だから


ストレスを感じてたんだ。



恋人に逃げて


全部,人のせいにして


真っ暗な世界は


全部



私自身。





暗闇にいたいのは


こんな自分自身が恥ずかしいから。


どんなに可愛くメイクしても


どんなに可愛い服を着てても


どんなに可愛いく自分を作っても


自分自身は何も変わらない。



忘れていたものに気づくのは,いつも時間がかかって気づいた頃には手遅れで。



でも


友梨……


あなたが大切な人って気づいたんだよ。


こんな私でも友達がいたんだって。



手遅れでも


どんなにダメでも


昔の二人の様に


あの頃の様に


笑顔で自分を隠さずに


自分の言葉で話したい。



こんな私でも


チャンスがあるのかな。





私は両手で体を抱きしめて


そう願った。



暗闇の中の私……



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