友達というカテゴリー


◆友達 (1/1)

消える事では見えない心。





友梨「優奈は……私を見てない。」



見てない……



友梨「いつの間にか……優奈は私にまで壁をつくってた。」



壁……



友梨「私は優奈の事をずっとずっと幼稚園の頃からずっと……友達と思っていたし,親友だと思ってた!!でも優奈は変わっちゃった!!学校では仲良しでも,そんなの表面だけ!!ずっと仮面かぶって皆に合わせちゃって!!!私はいつの間にか他の友達と変わらない存在みたいになってた!!!私はいっぱい優奈の事で悩んだんだよ!!!必死に悩んだんだよ!!!それなのになんでこんなマネするのよ!!!」



友梨が私の服の袖を掴んで泣いている。


私はなにがなんだかわからずに心が真っ白になった。



公園に二人きり


誰も気づかないまま


二人は傷つけ合っていた。



その時


私の生き方がすべて別人に見えたんだ。



友梨「優奈なんて……もういいよ!!!勝手に死ねばいい!!!」



そう言うと友梨は走って暗闇に消えていった。



すれ違う瞬間に


なぜか


幼い二人の幻影が見えたんだ。



あんなに小さかった頃は楽しくて


友達という存在を深く考えないまま


一緒にいられるだけで笑顔になれた。



いつなんだろう……


そんな気持ちも心も忘れてしまったのは。



大人の階段をのぼるたびに何かを恐れ


周りを気にして


自分の弱さを必死に隠して


我慢していた。



優奈「私も…戻りたいよ……。」



涙がもう止まらない。


力が抜けたまま


その場に座りこんだ私。



私は本当の友達を





失ったんだ。





その日の夜は


自分の部屋にとじこもったまま


泣きつづけた。


涙が枯れるまで。










それから私は登校拒否になった。


もう,どうでもいいと思ったから。





先生「花倉はまだ学校に来てないのか?」



学校にはもう私の存在が消えた。


学校の友達も何事もなかったように過ごしている。


私がいなくても時間は過ぎていき,世界は回っている。


パズルのピースが一つなくなっても新しいピースを埋める。





私は何日も


何日も


自分の部屋で過ごした。



お気に入りの服も,もう着たくない。


メイクだってする気もない。


髪はボサボサなまま。



ベッドの中で


一人暗闇を作って


いつの間にか助けを求めてた。





一瞬で世界が変わるってこういう事を言うんだろうな。



目が腫れたまま


頭痛に苦しみながら一人で震え


ひたすら泣いたんだ……



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