友達というカテゴリー


◆私の本当の姿 (1/1)

友達・恋人・そして私。





友梨「優奈…まだ気が付かないの?」


優奈「全部あんたが悪いんじゃない!!」


友梨「いいから話しを聞いて!!」


優奈「もういいよ!!」



私は感情が不安定なまま

心がズタズタになるのがわかった。

ポケットには強くカッターを握りしめている。


何もかも変わってしまった。


すべては


友梨のせい……



友梨「お願い……優奈…。」



あなたのせい……



友梨「優奈,お願いだから話しを聞いて!」



私の周りがすべて暗闇に包まれた。


何もかも失った私には憎しみしかなかった。



【これでいいんだよね。】



私はカッターを自分の首に押し付けた。



友梨「ゆ,優奈……何してるの!?」



私には


もうこれしか痛みに耐えられない。



優奈「友梨……私はこんなで……何もいい所もなくて……自分を作ってきたの。だから,不幸な事も一人で背負って……一人で乗り越えてきた。そして,正喜に出会って沢山救われたの。そ,そ……それを……友梨…どうして……?どうしてなの……?」



涙も汗も


この震えも


止まらなかった。



友梨「優奈……やめて……お願い。」



やめて?


お願い?


友達から悪魔に変わったあなたに何でそんな事を言われないといけないの?



友梨「優奈……友達でしょ?」



友達?



優奈「私には友達なんていない!!!」



私の擬似して夢みていた友達は,この世界にはもういないんだね。


笑えないよ。


悲しみが心のすべてを包んだ……



「もう嫌ぁぁぁーー!!!」



そう叫んで


カッターを強く握りしめた時


目の前の友梨が


大粒の涙を目から流していたんだ。


こんなに泣いている友梨を今まで見たことがない。


カッターを握る手が一瞬だけ止まった。



友梨「優奈……傷つけてごめんね。」



なんで


泣いてるの?



友梨「何も気づいてあげれなくて……。」



なぜか自分の頬が濡れていくのがわかった私。



友梨「私はただ……昔の優奈に戻って欲しかった。」



昔の……



友梨「いつの間にか……優奈は変わってた……。」



私が


変わってた……



友梨「本当の事を話すから……聞いてね。正樹の事は,優奈が大好きなの知ってたけど……でも,他の友達から正喜に彼女が沢山いるって聞いて,そんな訳ないって正喜に直接問い詰めた。そしたら本当だった。だから別れてほしいって頼んだの。でも,優奈がこんなに傷つくなら……しなきゃ良かった。」



友梨の涙が嘘じゃない事を証明していた。


本当に正喜が浮気をしていたなんて


信じられない。



涙が


涙が


溢れて


止まらない。



私の大切なものは


私を大切に思っていなかった事実。



友梨「傷ついたなら……私を傷つけて。」



私は何か大切な事を忘れてる気がする。


今の私はいったい誰なの?



夜の公園がこんなにも辛くて


こんなにも悲しい


周りのすべてがなにか違う世界に見えた。



優奈「友梨……私,どうしたらいいの?」



泣き声で上手く話せない。


それでも


これしか頭に浮かばなかった。


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