◆変革する心 (1/1)
すべてを失った優奈は…
こんなに自分の心が狭いなんて思わなかった。でも,本当は皆そうなんだと思う。
小さな事でイライラしたり,小さな事で悲しんだり,小さな事で苦しんだり。
神様の様に広い心をもった人は本当にいるのかな?
【私は違う……。】
他人から見れば「頑張れよ」なんて言うかもしれない。でも,世界にはいろんな人間がいる。
【耐えて生きるのに……疲れたよ。】
甘ったれてる。
わかってる。
【でも……それを誰のせいにもしないよ。】
弱い自分が嫌なだけ。
【なんか…もう………。】
もう
どうでもいい。
涙が自然に流れて,なにもかもが嫌になった。自然に筆箱の中からカッターを手にとった。私には生きてる証明が必要で,その方法なんて幼い私にはわからない。だからって人に迷惑なんてかけたくもない。だから,痛みで生きてる証をきっと作るんだ。
大事なものを失った時,人はまるで人生すべてが終わりになった様に感じてしまう。 本当はそうじゃない事も知ってるはずなのに。
両手が震えてるのを感じる。
涙が出すぎて前が見えない。
この人生の未来も。
【私がいけないんだ……】
左手首をカッターで切ろうとした時に
メールが届いた。
震えながら携帯を手にとり,メールを開いた。
【友梨からだ。】
いまさら開ける気力もない私だけど
そっと親指が携帯のボタンに触れた。
[優奈,久しぶり。]
メールでさえ
もう嫌になる。
[いま優奈の近くの公園にいるんだけど…話しがしたいから会えないかな?ずっと待ってるから。来なくても,ずっとここで待ってるから。]
待ってる……
いまさら私に何が言いたいの?
また皆の笑い者にしたいだけなの??
私を傷つけて笑いたいの??
私は心が苛立ち,悲しみが怒りへと変わるのがわかった。
いつの間にか公園へと歩いている私。
本当は会いたくない……
会わなきゃ傷つかなくてすむ。
それでも一歩一歩
歩みを止めなかった。
何かを取り返しに行くように。
涙を堪えながら必死に公園に向かった。
公園に近づくとベンチに友梨の姿が見えたんだ。心臓の鼓動が強くなり,めまいさえ起きそうなぐらい私は動揺してる。
それでも……
私の視線は友梨に向いていた。
優奈「………。」
友梨「優奈……来てくれたんだ。」
優奈「何?」
言葉でさえ
出すのが震える。
友梨「優奈,あのね。」
なぜか急に今までの事が私の心の中でフラッシュバックした。
優奈「今更なんなのよ!!!言い訳でもしにきたわけ?」
友梨「優奈……ゴメンね。」
優奈「謝ったって何も変わらない!!」
友梨「………。」
優奈「私の気持ちは,変わらない!!!傷ついたままだよ!!!」
友梨「優奈,お願い聞いて。」
優奈「嫌!!!いったい何がしたいの!!私の幸せ返してよ!!!なんで大事なものを奪うの??なんでよ!!!私が何をしたっていうの??」
その瞬間
友梨が私の顔を強くひっぱたいた。
優奈「!!!」
なんで
なんでそんな事するの……
友梨「いい加減,目を覚まして!!!」
優奈「なんで……何でこんなことされなくちゃいけないの??」
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