『 稀代 』
[プロローグ](1/1)







人は、自分が見たモノしか信じない。






あり得ない、夢だ、幻想だと、否定はしているものの、実際のところは、いつだって、目に見えない何かに怯えている。





幽霊とか、妖怪とか、UFOだとか、そんなモノだけではなく人の感情、憎しみ、悲しみ、恨みだって同じこと。






その、見えないモノが、現実味を帯び始めた時、人は初めて、自分の置かれた状況に気づき、そして、その現実に嘆き、事の全貌を飲み込むことが出来る。





しかし、そうなってからでは、もう遅い。今、ここで、目に見えているモノだけが、世界の全てではないからだ。








世界は、幾つかの重なりで上手にバランス保ち、そのバランスが何かの拍子でズレた時、狭間で生じる現象を







人は、稀代と言う。


























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