おばけなんてこわくない

9・[誰?(千田目線)](1/7)
*千田Side*

良かった…。

ちょっとガキっぽかったけど、彼女に完全に嫌われたわけじゃなさそうだ。



(「いっつも意地悪だもん!」……か。)


好きな子に意地悪してたガキん時から成長してねーな。

岡本さんが事務室に入ってきたから、余計自分がガキみたいで、つい逃げてきたし。

喫煙所でタバコに火を付ける。



「お、千田君!グッドタイミング!」


パートさんの1人だ。
その手には……


「じゃーん!」

「亀甲堂の酒まんじゅう!」

「正解!」


ニコニコして俺の手に小さなまんじゅうを乗せる。


「皆には内緒ね。おやつは亀甲堂の栗羊羹だから皆で食べようね」

「ありがとう!やったぁ!食べていいですか?」

「どうぞ。千田君は可愛いね。じゃ、行くわね」

休憩室に羊羹の入った箱を置いて出ていった。

大好きな和菓子につられたとはいえ……俺って、ガキ。



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