おばけなんてこわくない

2‐3・[夢?](1/18)
朝。

ゴミ出ししてこようとドアを開けたら、隣の石原さんのドアが開いた。


別人…


これから出勤みたいで、スーツを着て髪をセットし、眼鏡もかけてない。

仕事用は堅い感じで昨日の印象とは全然違う。


「おはようございます」

「昨日は…ありがとうございます!」


お礼を言って、部屋着に素っぴんなことを思い出してしまい、すぐに下を向いた。


「もう大丈夫でした?」

「はい…、これからお仕事ですか?」


目も合わさず下を向いたまま喋る。


「今日から新しい職場なんで早めに行くんですよ」

「そうなんですか、…では失礼」


自分で話を振っておきながら早く行ってくれ!と心の中で叫びながら横を抜けようとした。

フワッと手が軽くなる。


「ついでだから出しておきますよ」

「ええ?!!」


石原さんは自分のより大きな私のゴミ袋を持って、にっこり笑って「では、いってきます」とスタスタ行ってしまった。


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