グッド騎士(リメイク前)
第三話[赤い瞳](1/9)
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ウェインライト城の地下。

マリア達が捕まっていた所とはまた別の地下牢に、ミリアはいた。

彼は気を失っていて、しばらく眠っていたが、やがてゆっくりと瞼を開けた。

そして重い体を起こす。



「うっ・・・ここは・・・?」



ミリアは辺りを見回した。

一応ウェインライトの騎士なので、その場所が自分の国の牢屋だということがすぐに分かった。



(何故こんな所に・・・? そうだ! 姫様の結婚式に、いきなりヴォルフィード軍が攻めてきて・・・)



ミリアは何故こんなことになったのかを思い出す。

次第にメーテルへの怒りがこみ上げてきた。


ミリアは全ての元凶が、ディアだったことを知らない。

メーテルがウェインライトを攻めたのだと思い込んでいた。

(ああ…姫様は無事だろうか? 僕がしっかりしていれば…)



すぐ隣に誰かが倒れている。

ラグレインだ。

彼は気を失っていて、ピクリとも動かない。

ミリアは自国の王子を揺さぶり起こした。



「王子! ラグレイン王子!」



声をかけると、ラグレインは瞼を開けて、ゆっくり起き上がった。

ミリアは安堵のため息をつく。


しかし、起き上がったラグレインは、ミリアの顔を凝視した。



「ミ・・・ミリア?」

「え、はい・・・?」



まるで確認するように王子は呼ぶ。

ミリアが頷くと、王子は彼の目を指さした。



「ミリアの瞳って赤かったっけ?」



ラグレインの言葉を、ミリアは理解出来なかった。

王子はポケットから小さな鏡を取り出すと、ミリアに渡した。



「見て! 目見て!」



言われるがまま、しぶしぶ鏡を覗いてみる。

すると、確かに鏡に映っていたのは、赤い瞳のミリアであった。

背筋が凍る。

今朝までは確かに青い瞳だったのに、今は真っ赤なのだ。

ルシファーの瞳のように。



「ま・・・まさか、寝ている間に目を移植された・・・とか?」



ミリアは一瞬恐怖で震えたが、本当に一瞬で止まった。

彼は考える。

もしこれが本当にルシファーの瞳だとすれば・・・。



(何だか少しカッコ良くなった気分・・・!)



ミリアは薄い笑みをこぼした。

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