グッド騎士(リメイク前)
第六話[吸血鬼を探して](1/11)
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カチャカチャと食事の音。
マリア達は集まって、食堂で朝食をとる。
今日の朝食は、目玉焼きとベーコン、スープにパン・・・至って普通の朝食、王族生まれからしたら質素な食事だった。
「皇帝・・・その髪型似合ってるわ」
プライゼが切った髪を、マリアは誉める。
腰まであった髪は、肩の長さまで短くなっていた。
鼻の傷を隠す為に、鼻に包帯を巻いている。
そしてマーベリック学園の制服を着ていた。
メーテルは服が気に入らないようで、まだ機嫌が悪い。
服のことは極力触れないように、とプライゼに言われていたので、マリアは制服について何も言わなかった。
「体は大丈夫なの? 昨日は重傷ってきいたけど・・・」
「傷は残っているが平気だ」
メーテルは素っ気なく答える。
今は誰とも話したくないようなので、マリアはミリアに話しかけることにした。
「そういえばミリアは、その瞳どうしたの?」
赤い瞳について尋ねる。
「あ、それ俺も思った」
プライゼも話に入った。
言われるまで、自分の瞳が青から赤に変わっていたことも忘れていたミリア。
「は、はい・・・気付いたら赤くなってて」
それしか言えなかった。
何故変わってしまったのか、自分が聞きたいくらいだ。
「それよりも、プライゼ様に娘がいたなんて・・・姫様はご存知でしたか?」
これ以上瞳のことを聞かれても、何も答えられないので、ミリアは話題を変える。
マリアは首を横に振った。
幼なじみの彼女でさえ知らなかったとは。
「どうして教えてくれなかったの? 何度か会って、話す機会はあったじゃない」
「それは・・・」
口ごもるプライゼ。
マリアに伝えなかった理由は、彼女に好意を抱いていたからだ。
子供の頃から。
しかし、今更そんなことは言えない。
ましてや娘と、マリアの恋人である兄の前で言えるわけがない。
「たまたま言い忘れてただけだよ。それより、その蛇どうしたんだよ」
マリアは腹を立てた。
メーテルに質問したら素っ気なく返される。
ミリアとプライゼも、マリアの質問から話を変えようとする。
「ごちそうさま。私部屋に戻ってるわ!」
プライゼの質問には答えず、膝に乗っけていた蛇を持ち上げると、彼女は食堂を出ていってしまった。
ミリアとプライゼは顔を見合わせる。
何故マリアが怒ってしまったのか、二人には全くわからなかった。
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