真野ちゃん法度。
使った物は元の場所に戻すべし。(1/13)
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「おはようございま、」
『やっと会いに来てくれた!!あんまり放っとくと、怒っちゃうんだからね!!』
「ごめんね!!イチゴちゃん!!最近色々立て込んでてな…!!放っといてごめん!!怒らないで!!」
タイムカードを切って事務所の扉を開けると、おじさん(35)が携帯の画面に向かって話しかけていた。
……パタン。
静かに、丁寧に扉を閉める私。
「…ちょ!!真野ちゃんっ!!違うんだ!!これは怪しいモノじゃない!!大丈夫!!大丈夫だから入ってきて!!」
扉の向こう側で慌てふためくおじさん(35)。
「真野ちゃんおはよう!!いや、これはな、アイドルを目指す女の子たちを育成していくアプリでな!!前に天が勝手にインストールしてきたんだけど、これがやってみると結構面白くてさ!!…あ、大丈夫!!健全なゲームだから!!決して怪しいゲームではないから!!」
「あぁ、そう…」
気を取り直して席に着く私に、どんなゲームなのかというのを必死に説明してくる。
そして何故か、怪しいゲームではないことを強調している。
「忙しくて1週間以上ログインしてなかったら、イチゴちゃんに怒られた!!あ、イチゴちゃんていうのはリーダーなんだけど、活発で天真爛漫な子でな、」
…わりと、いや、かなりどうでもいい。
「局長…朝から声が大きいですよ。美玲さんが引いてます」
「別にどんなゲームをしてたっていいけど…画面に向かって大きな声で話しかけるのは…気持ち悪いわよ」
「ごめん!!つい心の声が出ちゃってた!!いや!!でも俺の中の一番は真野ちゃんだから大丈夫だぞ!!」
何の話よ。
「航!!おまえはこの中だったらどの子がタイプだ?」
「…決まってるじゃないですか!!副リーダーのニイナさんです!!ニイナさんはクールで冷静で、真のまとめ役なんです!!上から目線なところがニイナさんの魅力なんですよね〜!!いつも強気でプライドも高いのに、ごくたまに照れたりして…そこも可愛いんですよ!!」
航大くん…。あなたもそっち側なのね…。
「ニイナちゃんか!!ニイナちゃんも確かに可愛い。が!!やっぱりイチゴちゃんには敵わん」
「一番はニイナさんですよ!!作田隊長も、素直に言うことを聞きすぎるからイチゴちゃんはつまんないって言ってました!!」
「天の奴…!!俺のイチゴちゃんになんてことを…!!」
何この人たち。
「おい!!蒼!!おまえは?おまえもイチゴちゃんがいいだろ!?イチゴちゃんが一番に決まってるよな!?」
「ニイナさんですよね!?副長!?」
…え、待って。まさか逢坂さんまで?
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まえ[*] つぎ[#]
➣しおり挿入
*Tenn's story*
ねーねーなっちゃん。
続編ではありませんが「真野ちゃん法度。」のその後のお話になります。
真野ちゃんを読んでいなくてもわかるようにはしていますが、読んだ後の方が楽しんで頂けるかと思います。
*既婚者♀(年上)×独身♂(年下)*
Lily.
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