・[ライバルじゃなくて…?](1/10)
「僕ってさ…前の学校と中学で問題起こしたみたいなんだよねー」
「ん?」
起こした“みたい”?
「ひどいよね」
カラカラ…とジュースの氷をストローで回しながら綾羽は苦笑いした。
「こんなナリしてっと…変な噂でるみたいでね」
黙って話しを聞くオレに綾羽は微笑んだ。
「学年トップだったから。変な事して、学年トップにいるんじゃないかってね」
「え?」
話しの意味が分からなかった。
「だからー…」
カランッと氷のぶつかる音がする。
「校長に体を売って。とかね」
「でも、してないんだろ?」
「もちろん。でも噂は限りなく広がった。話す奴なんて誰1人いなかった。晟を除いてね」
ニコッと笑う綾羽に心が痛くなった。
「でも中学のときは晟がいたけど前の学校ではもうどうしようもなかった」
「だからこの学校に逃げて来たんだよねー」
“ははッ”とふざけた笑いで綾羽は氷を口に含んだ。
「藍稀も気をつけてね?」
悲しそうに笑う綾羽の頭に手を添えた。
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