:[抹茶オレ。](1/5)
「なんか…絵の具みたい。」
学校の自販機、紙カップ、80円。
今にも雪が降りそうな鉛色の曇の下、かじかんだ手でカップを取り出す。
あったかい抹茶オレ。
絵の具みたいな色した、抹茶オレ。
「うわ、まじだ。
すっげー色!!」
この寒いときに
いつもみたいにはしゃぐのは
決まって彼だ。
付き合ってもない、
友達でもない、
でもなぜかくっついてくる同じクラスの男のこ。
「…てかなんで今日もいるのかい?」
わたしの言葉に彼はとびきりの笑顔で答える。
「一緒に帰ろー!」
…全く答えになってない。
まあ、いいか。慣れた。
彼の、癖。
わたしにこうやって
無理矢理ながらも
一緒に帰る誘いをするとき、
背はわたしより
うんと高いくせに
わたしの顔を覗き込んで、
おきまりのセリフを
とびきりの笑顔で言う。
ほんとは、
ほんとはね、
すごくどきどきしてるけど
彼はわたしのこと
からかってるのかもしれないから、そっけないふりでごまかす。
こんな生活、3ヶ月。
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