東方幻想入り〜シロガネノゲンソウ〜

[二人の神と一人の現人神](1/12)
「………もう朝か」

そう呟いて俺は上半身を起した。外からはセミの鳴き声が、台所では料理をしている音が聞こえる。きっと霊夢が料理をしているんだろう。

そう思いながらふと隣りの布団を見ると、霊夢が気持ちよさそうに眠っているのが俺の目に入った。

「………………」

……え?嘘だろ。

いや、待て!落ちちゅけ、じゃなくて落ち着け俺!………よし、次に羊を数え――って違う!

わからない人のために今の状況を整理しようと思う。

@隣りの布団では霊夢が寝ている。

A台所から料理をしている音がする。

つまり、今料理をしているのは『霊夢以外の誰か』ってことになる。

……もうわかるよね?料理をしているのは魔理沙以外ありえない。

俺が命の危険を感じ、眼鏡をかけて逃げようとした瞬間、台所からいつもの服装に着替え、その上にエプロンを着た魔理沙が現れた。

「お、おはよう魔理沙」

「おはよう白夜。…どうした?何を焦ってるんだ?」

「いや、べ、別に焦ってないぞ」

「そうか、もう朝ご飯作ったから、霊夢を起こしてみんなで食べようぜ」

「…ああ、是非そうしよう」

どうせ気絶するなら、みんな仲良く気絶した方がいいからな。霊夢には悪いけど…道連れだ。

〜五分後〜

霊夢を起こしてみんなで朝飯を食べた。魔理沙は今回は和食を作ったらしく、メニューは白米と味噌汁と煮魚だ。見た目はいいが油断はできないと思い、俺はある程度の覚悟をして食べてみたが、昨日のビーフシチューと違い、普通に美味しかった。霊夢が言うには、魔理沙は和食を作るのは上手らしい。

魔理沙と霊夢が食事をしながら雑談をしているので、俺はそれを聞きながら食事をすることにした。

「うーん…。いつも思うけど、なんでアンタは和食は普通に作れて洋食はダメなのかしら?料理なんて全部一緒じゃない」

「日本人が洋食を作れないのは当然のことじゃないか」

「それじゃまるで私が普通じゃないみたいじゃない」

「違うのか?」

「えっと…スペルカードはどこだっけ…」

……頼むから朝から弾幕ごっこだけは勘弁してくれよ?

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