[紅の館](1/12)
〜一時間後〜
子馬館に到着した。
え?どうやって移動したかだって?
咲夜(だっけ?)に腕をつかまれてぶら下げられながら移動した。
方法が他になかったとはいえ、こんな運ばれ方は二度とされたくないな。まぁ、箒よりはマシだけどさ。
連れて行かれた場所には不気味な雰囲気が漂う血のように紅い屋敷が建っている。
俺と咲夜は赤い屋敷の門の前に降りた。
「そういえば、こういう時って敬語で話すべきかしら?白夜はどうしてほしい?」
「いや、普通に話してくれればいい。いきなり敬語を使われたら反応に困る」
「そう、わかったわ。とりあえず紅魔館にようこそ」
やっと子馬館に着いたか。…さて、子馬がどこにいるか咲夜に聞いてみようかな。
「子馬は?」
「子馬?そんなの飼ってないわよ」
「え…飼ってない?ここって子馬を飼ってるから子馬館じゃないのか?」
「もしかして――子馬館だと思ってたりしてない?」
「違うのか?」
「違うわよ!どこの世界にそんな奇抜な名前の館があるのよ!」
その後、この館の名前は子馬館じゃなくて紅魔館だと言われた。動物が好きな俺には悲しいお知らせだ。
……畜生、ジャロに電話してやろうかな。
「そういえば、さっきからずっと気になってることがあるんだけど聞いてもいいか?」
「ハァ…。何かしら?」
「さっきと違って真面目な質問だからため息を吐かないでくれ。俺がこれから会うお嬢様は人間なのか?」
「違うわよ。お嬢様は吸血鬼」
「……吸血鬼?」
「そう。吸血鬼」
吸血鬼って確か血を吸うあれだよな…。
俺は自身の知ってる吸血鬼を頭の中で想像してみた。
@王立国教騎士団に飼い慣らされてる吸血鬼。基本的に銃で戦う。
A通称動物園。蛇とか鴉とかサイとかを体から出せる。暴食大好き。
「短かったな…。俺の幻想郷ライフ」
『白夜は吸血鬼に血を吸われて死亡。彼の冒険は終わった』ってか。
酷いな…。もしも俺の幻想郷でのここまでの出来事がゲームとか小説だったりしたら間違なくつまらない終わり方だ。
そんなことを考えていると咲夜が俺の肩を叩いた。
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