あたしの中のあんた
[あたしの中のあんた](1/1)

あたしには死にたいと思ったときが2回ある


こんな簡単に死にたいとか言ったらいかんけどな



1回目は好きな人に振られたとき




付き合ってから変わらずラブラブで



このまま結婚なんて思ってた



邪魔する人なんておらん



ずっとこの関係が続くって信じてた




でもな、それも終わりが近づいてた



別れたい言われてえ?ってなって




強がって笑ってなにいっとるんっていってみたけど


あんたは笑わず真剣な顔やったな



冗談やないかって思って…そう思いたくて


だって好きやもん


あんたがまだ好きやから



理由も言わず別れたいなんて…




それからずっと泣いてた

メールボックス開いたら全部あんたからのメール



返事くるのを待つときが嬉しくて


デートのときなんて緊張しすぎて噛みまくってたな



思い出せば思い出すほど胸が苦しくなって


泣いたらあんたが戻ってくるなんてバカみたいに思ってしまうんよ



ほら、前のときいってたやん



「泣くなら俺の前で泣け、黙って抱きしめてやっから」


って…抱きしめてや早く…



もし事故あったらあんたは心配してかけつけてくれる?


本気で思ってしまった


バイクやトラックにぶつかって血いっぱい流して…



そうすればあんたが来てまたより戻してくれるんやないかって


な?あたしバカやろ?



気持ちぐちゃぐちゃになってよう分からんくなったわ







そして2回目はあんたが死んだとき



事故やない、ガンっていう病気やったんやな




ずーっと苦しんで苦しんで…




ガンで髪が抜け落ちて坊主になってた




 なんで話してくれんやったん?


あたしがこの髪が好きやっていったから?



目をつぶったあんたに泣きながら話しかける



なんで一人で死んでいくんよ


なんで…




なにも言えなかった



別れた理由もこれやったって知って



バカじゃないの?


って泣き崩れて倒れこんだ



好きやのにまだ伝えたいんよ?



あんたに出会えて毎日楽しかった


辛いときもお互い話し合って笑いあって…



ね、あたしにはいつもあんたがおった


思い出の中にはいつもおる



目に浮かぶのはあんたの笑顔



好きなのはあたしだけやった?



な、起きてや



またうるさいくらい話してあたしを笑わせて…





おもえば昔あんたがいってたな



「もし、もしやで?俺が死んだらどうする?」


笑いながら急に聞いてきたっけ



『なんよ急に…もし?死んだらあたしも死ぬわ、一人は嫌やから』


あたしも笑いながらそうかえした


すると真剣な顔で


「死ぬな!たとえ先に死んでも俺の分まで絶対生きろ!  
ま、死なんけどな〜俺は最強やから」


なんのことか分からんやった




でも今ならわかる、このことやったんやな


あの言葉がなかったらあたしは絶対死んでたかもしれん


大好きな人の言うことやから聞かなアカンやろ








そして今日は命日。




ちゃんと生きてるで安心してな



この日がくるたびにそう伝えた



短かったけど、幸せやったで。


ほんまにありがとう



いくら探してもやっぱあたしにはあんたしかおらんな


まだまだ人生あるけど、あんた以上の人なんてきっとおらへんし



これからもよろしくな

















-end-











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