ゆめをみたいの。
[15* 今暫くは俺だけの君で](1/14)






今日もなんてことない収録day。朝10の仕事は相変わらずきついな、今にも瞼がくっつきそうだ。そんなことを思いながらぼーっと収録ブースのドアノブに手をかけた。

「…………おっ、と」

「あ……ごめんなさい」

謝って顔を上げた瞬間、睡魔なんてどこかに飛んで行った。何故なら入れ違いになりぶつかりそうになった相手は、

梅原「すいません、大丈夫ですか?」

あの!!引く程イケメンの梅原くんだったからだ!!

朝から刺激が強いよちょっと。てかほんとに引く程イケメンなんだけど!!お目目がキラキラしてる!!なんかめっちゃいい匂いする!!

初対面ではないけどあまり会話もしたことがない。何故なら梅原くんは静かだからだ。そしてあまりのイケメンにわたしも話しかけに行けないからだ。眩しくて見れないんだよ……。けんぬと初対面の時も恥ずかしくて顔見れなくて仲良くなるまでに時間かかったけど。

梅原「怪我とかしてないですか?」

なんだこのシチュエーション!!?イケメンに心配されるなんて少女漫画か?わたしはこの後紆余曲折ありながらも梅原くんと結ばれるのか?

「だ、大丈夫です。すいません、ぼーっとしてました」

梅原「いえ。僕もぼーっとしてたので」

そう言って小さく笑う梅原くん。ドスって落ちる音がした。きゅんっじゃなくてドスって心臓が言った。恋に落ちるだろーーー!!?かわいすぎるだろーーー!!?笑うなーー!!罪だーー!!

「あの、」

梅原「はい」

話しかけたのはいいものの共通の話題が無くなってしまった。いや、こんなドアの前で話すなって感じなんだけど。そしてイケメンというミーハーな気持ちが思ったよりも前に出てしまった。

「えっと、……おかえり……なさい」

…………え?ちょっとちょっと何言ってんの?昨日細谷くんから「梅ちゃん復帰したみたい。よかったー」って聞いてたからってそんな仲良くもないわたしに言われて梅原くん困らない?すごいきょとんとした顔してるけど!!

「いやあの……復帰おめでとうって、おかえりってことなんだけど……なんか……うん、ごめん忘れてください……」

距離感間違えすぎだろ……。休養前あまり話したことなかったのに復帰してから本人に馴れ馴れしくおかえりって……。

そうひとり自己嫌悪に陥っていた時だった。






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