ゆめをみたいの。
[10* 最高のバッドエンド ](1/13)
「今の処、もう少し間を空けて感情を込めていきましょう」
「はい、わかりました」
わたしとしたことが、今日リテイクをもらうのは何度目だろう。
完璧主義者じゃないが、なるべく失敗はしたくない。だけど今日は監督との疎通があまりできず台詞を噛んだりとうまくいかない。
「ごめんね、自由くん」
入野「いいえ。全然大丈夫よ」
相手役の入野自由くんに何度も付き合ってもらう。自由くん優しいな。いつも現場で煩いけどやっぱり優しい。
休憩になり現場にあるソファに座りあやひー(高垣彩陽)が差し入れてくれたミ●ドをもぐもぐと食べる。甘いもの最高。
「ん。ドーナツおいしい」
高垣「よかったー!花ちゃん甘いもの好きだよね」
「好き。あやひーも好き」
高垣「わたしもすごい好き!」
入野「この人、餌くれる人みんな好きだから」
「そんなことない」
高垣「餌www」
入野「今度みたらし団子奢ってあげる」
「自由くん神かよ」
入野「ほら簡単」
このやろう、そんな安い女じゃないわ!と言いたいけど今日はたくさん迷惑かけたから言えない。
内山「なに話してるの」
のそのそとコーヒーを片手に持ちながらいつもの猫背でやってきた内山昂輝。
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