ゆめをみたいの。
[9* それからの二人](1/15)
細谷くんの恋人になって二週間が過ぎた。あれから少し心が浮き足立ってふわふわと宙に浮いてる気分だったけど正直何も変わったことはない。
やっぱり学生の時とは違くて、当たり前だけど予定が合わない。現場でたまに会っても二人きりではないしわたしは、細谷くんもプライベートと仕事はきっちり分けるタイプだ。
……うん、そう思っていたんだ。
内山「付き合ったの?」
「は?」
おうおうおう、また突拍子もなく言ってきたな、内山昂輝。
内山くんはいつもの安定の光がない目でわたしを見てる。でも少し楽しそう。
「内山くん主語をくれ」
内山「佳正くんと付き合ったの?」
………!?
え、ちょっと待て。なんで内山くんが知ってんの!?わたし内山くんに喋ったっけ!?
いやいやいや!!わたしが喋ったのは香菜ちゃんと愛生ちゃんと安元くんしかいない。じゃあ、なんでだ?どこから漏れた?
内山「佳正くんが言ってたよ。『花さんと付き合うことになったんです!』ってデレデレした顔で」
バカ、言っちゃってんじゃん。わたしの彼氏バカじゃん。べつに隠してたわけじゃないし言ってくれるってのはなんか嬉しいけどそんなべらべらと言うのかよ。
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