恋に落ちるその日まで -1st-
[気になる](1/13)
栞の企画したプロジェクトも、いよいよ本格的に軌道に乗り始めた。

チームとして栞と神崎が顔を合わせる機会も必然的に増え、先日の粗相からの気まずさもようやく薄れてきた。


「がんばってんよなぁ月雲ちゃん♪」
「おー。資料抱えて走り回ってるの超可愛い」

「・・・」


「可愛くて仕事できてて、ちょっと手出ないわ」
「分かる!隙がないよな?俺は総務の美玲ちゃんあたりがいいなぁ♪」
「あー。あの、あざと可愛い感じな〜?」

「・・・」


「って、お前は相変わらず乗ってこないなぁ!?」

社食での日常の一コマ。
同僚につっこまれ、神崎は何の話だっけ?と視線を送る。

「つーか、その無駄なイケメンを俺にくれ!そしたら美玲ちゃんだろうが月雲ちゃんだろうが、好きな女と付き合えるわ!このBDC(無愛想ドリーマークラッシャー) !!」
「おー。そいえば神崎って、前に月雲ちゃんと付き合ってたんだもんな?どんな奇跡だよ。神崎と月雲ちゃんって」

どんなと聞かれても、偶然が偶然を呼んで偶然付き合ったとしか言いようがない。

そして、言うなれば別れたのは必然。


「それにしても、何で別れたわけ?月雲ちゃん、尽くしてくれそうじゃん?イメージだけど」
「・・・まぁ、俺がダメなんだろ」


「「・・・だろーな」」


見事に、同僚2人の声がシンクロした。



- 51 -

前n[*][#]次n
/189 n

⇒しおり挿入


⇒作品レビュー
⇒モバスペBook

[編集]

[←戻る]