恋に落ちるその日まで -1st-
[突然の出会い](1/12)
「最っ低!何が『女の企画は金だけがかかる』だ!ただの負け惜しみでしょ!?そう言うならねぇ、自分が周りを納得させられるような企画を持ってこいってのよ!
…人が、どれだけ苦労して…あっちこっちに頭下げて企画したと思ってんのよ…」
マイクを片手に心のドロドロを吐き出す。それと同時に、我慢していた涙がじわっと溢れ出した。
月雲 栞 (つくも しおり)25歳。
世間では優秀と言われる某大学を卒業後、大手アパレルメーカーに就職。
学歴をかわれた結果、男性社員が7割を占める営業部へと配属となった。
昔からの負けん気の強さと意地っ張りな性格で、同期の中でも積極的に企画を推し進め、営業成績も伸ばしてきたつもり。
ただ、最近ではそんな栞の仕事ぶりが鼻につくのか嫌味を言われたり、邪険にされることもしばしばあった。
「ね!?あたなもそう思うでしょ?店員さん!?」
「あ〜…はい。」
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