パラドックス
☆[練習](1/14)
スタジオに着くと、僕だけボイトレの方に行かされた
まずは歌の練習みたい
「それじゃあまず音域を見るわ」
「はい」
ボイトレの先生はちょっと年配の女の方だった
男なるべく関わりたくないから良かった
「男の子にしては高いわね」
「そりゃ――――…」
そうだろうな
僕は一応女だから
…………そういえば、僕が女ってわかってんのかな?
渡された書類とかにはそういうことを書く欄なかったけど
まぁいいか
どうでも
考えるの面倒だし
なんとかなるだろう
多分
「じゃああなたは高音ね」
「はい」
「うーん。」
「…………?」
なんか、見られてる
変なとこでもあったかな?
「何か?」
「……私の好みの子なのよね、あなた」
「はぁ」
そんなこと聞いたっけ?
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