いつでも君を待っていた
[さようなら](1/14)
目が覚めると、見たことのない豪華な天蓋付きベッドにいた
「っここは…?」
不意に目についたのは、一枚の紙切れだった
「っな、んで……」
<拝啓 希美様
あんな酷な指示を出して本当にごめんなさい
香奈…葵衣は、あの後息を引き取りました。
私は、葵衣に恨まれていることを、薄々気づいていました。葵衣が生きていることも。
そして、葵衣が香奈だって言うことも。
それをわかった上で、すべてを頼みました。
ただ、誤算だったのは、香奈と希美が友達だったことです。
それを知らずに、本当にごめんなさい。
私は、希美の親友失格です。
私に、上に立つ資格はありません。
なので、今一度御父様のもとに戻り、自分を鍛え直してきます
恐らく、希美が起きる頃には飛行機の中だと思います。
今希美のいる家は、元は私の日本に置いていた家です。
その家は、希美に差し上げます。
月々の電気代やガス代は全てこちらでお支払します
ありがとう。希美。
貴女のお陰で乗り越えられたことがたくさんありました。
もう一度あなたと笑いあえて良かった。
大好きよ。
さようなら。
敬具>
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