◎―6― (1/1)
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「やめろ!!!」
[ガガンッ!!!!]
俺は振りかざされた金属バットを
スレスレで躱して
そのヘルメット男の手を必死に掴んだ。
一瞬の迷いが死につながる様に
互いの息が荒れ狂い
力と力がぶつかっていく。
「ぐあぁぁぁあああ!!!放せ!!!!」
人間とは思えない叫び声を聞き
俺はとにかく
彼女を守る為に
全身の力を振り絞って
そいつを床に倒していく。
「だ,誰なんだよ!!!何でこんな事すんだよ!!!」
抵抗される前に
俺は必死に倒れたヘルメット男の上へと
馬乗りになった。
「うわぁぁあああああ!!!殺してやる!!!殺してやる!!!!」
俺の問い掛けにも全く答えずに
力任せに暴れる男。
そいつの両手を
俺は両膝で抑えつけ
ヘルメットに手をやった。
「お前!!!いったい何なんだよ!!!!」
アドレナリンが放出され
恐怖が高まる中
俺は思い切り
そいつのヘルメットを両手でとったんだ。
[ガン……ガンガラガン………。]
ヘルメットが床に落ちて転がり
その男の顔が見えた……
ドクッ!!!
ドクッ!!!
ドクッ!!!
ドクッ!!!
「う……嘘だろ……。」
その汗で濡れた髪の毛と
素顔に
俺の鼓動が小刻みに打ち付け
知らせるんだ。
「は……はぁ……はぁ………。」
見覚えがある……
この男に。
俺が動揺して沈黙する中
床に倒れたその男が
俺を見て
体をブルブルと震わせながら
驚いた表情で
こう言った。
「ひ,宏明………。な……何でここにいんだよ……。」
お
俺の
名前は
『宏明』って言うのか……?
…………………………………………………
壁が光沢のある黒で包まれた一つの広い部屋……
目の前には
行き止まりの様に立ち塞がる蜂の巣の様に並んだ六角形の小さな扉たち。
その中でロックが空いているのは
ただ一つ。
天井から照らす青白いライトが
辺りを欝すら明るくし
今ある現実を直視させる。
「どうする……宏明。」
その問い掛けに
俺は俯く君の姿を
悲しい視線で見つめながら
強く握った手を放さない。
宏明「一つしかない。選択するのも……。だから皆で……」
「そんな悠長に考える時間なんてないだろ!!!現実を見ろよ!!!もうあと数分でこの残った一人用のシェルターにもロックがかかってしまうんだ!!!」
「そうだよ!!!」
「どんな運命であれ,選択はしなきゃいけない。残酷だが……」
目の前に集まる他の4人の人間が
取り乱しながら
俺に答えを求めてる。
宏明「俺は………。」
俺の選択は……
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