古川くんは桃が好き
*波乱(1/18)






「あっ、ねぇ!

あなた八神さん!だよね!?」


「えっ?そう…だけど、」


「ちょっとこっち!」




古川くんが熱から復活して
一週間は過ぎたころ



私は知らない女の子たちから
呼び出される?ようになり




休み時間の今も、廊下を歩いてたら


クラスも名前もなにも知らない
女の子2人に腕を取られ、
端のほうへ引き寄せられた。




……そして聞かれるのが




「ねぇねぇ、八神さんって
七海くんとどういう関係なの?

付き合ってたりするの!?」


「こないだ八神さんっぽい人と
七海くんが手繋いで
帰ってたって噂、ほんと?」




決まって、これ。




…なんで忘れてたんだろうね私

七海くんも人気者ってこと。




「あの…七海くんは、友達だよ


あとそれ…私じゃないよ、

噂なだけだと思うよ…?」




今日もこうして
なんとかごまかすけど




七海くんは友達、って

もう何回言ったんだろ。はあ。




「おつかれ、桃」




女の子たちから
解放されて教室へ入ると


さっきのが
見えていたのか、ゆかりが
ぽん、と私の肩に手を置いた。



なにも言わず
そのままゆかりに抱きつく私。




「…いずれはこういうの
来るかなって思ってたけど

ついに来たって感じだね


ま、相手が七海くんってのは
まさかだったけど」


「私だってそうだよー
ごまかすのほんと疲れるー」


「古川くんがよかったよね

てか噂されるなら
古川くんだと思ってたよね」


「……なんで、」




って言ってみたものの


そういえば古川くんとは
熱から復活してから
あんまり会ってないなー……




とか考えてた
その瞬間、スマホが震えて
無駄に驚いてしまった。



抱きついたままだった
ゆかりから離れてスマホを開くと、




桃ちゃんと七海って
付き合ってんの!!!!??
どういうこと!!!!?
ちょっと昼休み体育館裏集合!!!
七海もいる!!!!




ごぶさた航太くんから文字でも
うるささが伝わるLINEが来ていた。




あ、あー……航太くんに
説明してないのか、七海くん


これは……行かなきゃだね。





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