古川くんは桃が好き
*変化(1/15)






「え…じゃああいつ全部出したの?


なんだあいつ!紳士気取りか!?



で、メシもフードコート
往復するぐらい食ったって?



俺にはまったくだよ
まっっったく奢ってくれねぇ!



なぁやがみんなんでだと思う?
俺にだけケチってなんで!?」


「さぁ…うるさいからじゃない?」


「俺ってうるさい!!?」




どうしよう

朝からうるさすぎる。




古川くんと水族館へ
出かけた次の日、月曜の今日
まさかの矢野くんに遭遇



学校まで一緒に歩きながら
水族館でのことを
根掘り葉掘り聞かれてしまってる。



って言うよりケチについて…かな。

このネタいつまで言うんだろ。



…ところで矢野くんには悪いけど

気持ち的にそれどころじゃない




俺のなんだけど



こ、この台詞の意図を
古川くんに聞きたいんだよ…!




とか言って、恥ずかしくて
きっと聞けない…だろうけど。




なんて私の心理なんて知るはずもなく


矢野くんは話し…騒ぎ続ける。




「あ、でも


もし俺がやがみんと水族館
行ってても奢ってっけどな!


俺も大概紳士だから!」


「…えー、そう?」


「なんで疑ってんだよ!」


「だって…うるさくて
水族館どころじゃなさそう」


「そこかよ!

てか俺、航太っていうんだけど!
航太って呼んでよ!」


「それ今言う?てかいやだ」


「ほんっとうるっさいなあ矢野!」


「いって…!な、なんだよ小倉!」




うるささのピークに達するかって時


後ろから来た女の子が
矢野くんの頭をばしっ、と叩いた。



…え、可愛い。





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