●▲■千尋の秘密(1/5)
千尋はバスタオルをぬいで背中を見せる。
背中には複数のスイッチ。
「これ…」
「そう。スイッチ。私生まれつき背中にスイッチがついてんの(笑」
へへっと笑う千尋。
だけどどこか悲しそうだった。
「今は…こうやって普通だけどね。例えばこのスイッチを押してみて?」
カチッ
HAPPY とかいてあるスイッチを押す。
すると…
「なんか…楽しいね♪」
急にご機嫌になる千尋。
…え?
カチッ
angryと書いてあるスイッチを押す。
「もう!やめてよ!!何回も押さないで」
怒鳴りだす。
最後にFreeって書いてあるスイッチを押す。
「ふぅ〜…ね?このスイッチ、私の感情なの。すごいでしょ?」
笑っていう千尋だがやっぱりどこか悲しそうだった。
背中のスイッチは凹んでるわけでも凸でもなかったからそんなに目立たない。
何て言うか…
触れると光るエレベーターのボタンみたい。
「ボタンみたいだね…」
「うん。でも私のはスイッチ。いろいろ切り替わっちゃうから。Freeってスイッチが普段は入ってるから自分の意思で感情作られるけど何かの偶然でほかのスイッチが入ったら大変なのよ〜」
千尋は話す。
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