[君と溺れる恋をして](1/60)
植木 翔太と出会ったのは、記憶にもない頃。
お母さん曰わく、お腹の中にいたころから知り合いだったそう
そう。
“幼なじみ”ってやつ
ありきたりだけど、家は隣
もちろん毎日一緒だった。
お互い一人っ子だった私達は、まるで兄弟みたいに育ったんだ。
お花見もプールも海も雪かきも雪合戦も栗拾いも鬼ごっこも隠れん坊も、何をするにもずっと一緒。
そんな兄弟みたいな関係に終止符を打ったのは中学1年の秋。
「咲優、帰ーろ!」
いつものように部室の前に迎えにくる翔太
愛くるしい動物みたいな顔でふにゃりと笑う
この顔が大好き
翔太は知らないでしょ?
私、記憶にもないくらい昔から翔太に恋心抱いてるんだよ?
「翔太ー肉まん食べたい〜」
「金ねえじゃん俺ら。金欠じゃん。」
そう、夏休みに遊びすぎた私達のお財布は空っぽ。
肉まんも買えないくらい…
「愛情があれば肉まんは買えるよ」
「買ってみろって」
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