探偵みたいな高校生達(LOVE CASE)
出会い(1/8)
昌「…朝か」
今日から二年生になったオレ――藤井 昌也は、目覚めの悪さはいつにも増してひどかった。
昌「昨日の疲れ…とれてないなぁ」
昨日は駿一たちと『二年生の前祝い、今日は夜遅くまで遊んじゃうぞ!パーティー』とか言って、朝から遊んで帰るのが12時近くだった。
母「しょう!早よ起きてご飯食べな遅刻すんで!!」
下の階から母さんが怒鳴ってきた。
眠い目を擦りながら、オレは下の階へと行った。
広「兄ちゃん、おはよう」
こいつは一個下の弟、広樹(ひろき)。
オレと同じ高校に入学した。でも、広樹は野球部に入部していて、春休みも大半が部活に行っていたから朝から会うのは久しぶりだ。
昌「早いな、ヒロは」
広「何言うてんねん、兄ちゃんが遅いくらいやで」
時計を見たら、8時5分前だった。去年は同じクラスだったオレたちは、登下校も一緒にしている。
昌「あいつら時間にうるさいからな‥‥」
朝飯の食パンに目玉焼きとウィンナーをはさみ、三口で食べ終えた。
昌「ごちそーさん!」
母「早すぎやろ!しっかり噛んだか?」
母さん!さすがに高二やし、子供扱いすんなや!
オレはそう思いながらも、口には出さなかった。ややこしいことになることは目に見えている。
オレは黙って歯を磨き、顔を洗って制服に着替えた。
オレが通っている実誠高校は私立の割に自由な高校だった。
例えば男子はブレザーと学ランを選べて、女子はネクタイとリボンが選べる。
カバンもスクール指定の物じゃなくてもよくて、オレはいつもエナメルで行っている。
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