デスマッチゲーム
[15章:前日](1/5)
「何で撃ったの!?」

細川は部屋に入るやいなやそういった。

「お前に関係ないだろ」

森はベットにうなだれながら言った。

「関係ないことない! 抵抗してない人の命を奪ったじゃない!」

「……俺らを殺そうとしたやつに代わりない」

細川は森の前に歩いていく。

「それでも…………間違ってる!!」

細川がそう言い放つと森は細川を見てそして立ち上がった。

「…………麻生は慈悲もなく殺された」

「麻生さんが………………?」

森はゆっくりと細川に詰め寄る。
細川は一歩ずつ後ずさる。

「犯され無惨に殺され、最後にはゾンビに群がられて………………」

「………あ………………」

細川の背中はコンクリートの壁に付く。
すると森は閃いたような顔をする。

「…………お前か」

「え…………?」

「お前が情報を奴等に漏らしたんだな?」

細川は思ってもみなかった事に困惑し戸惑う。

「…………違う」

「まだ奴と繋がってやがったのか!」

森は細川の胸ぐらを掴む。

「違う! 違う! そんな事…………!」

細川は首を横に振って否定する。

「認めるやつはいねぇわな!」

森は細川をベットに突き飛ばすと腕を細川の首に押し当て馬乗りになった。

「やめ…………て、森…………さん」

「舞花があじわった恐怖と苦しみをお前にもあじあわせてやる」

森は拳を振り上げる。
細川は目を瞑る。


しばらくして細川は目を開ける。

「…………森、さん…………?」

森は振り上げたまま固まっている。
そして細川の上から離れた。

「………………すまない」

森はそう言い残しその部屋を離れた。



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