君は私の運命であって。
[誤送信とうわさの出どころ](1/15)



眩しい朝の光で目がさめる。

そっと隣に目を向けると、どうやら彼はまだ寝ているみたいだ。



その無防備な寝顔は正真正銘の17歳のもの。





結論から言うと、昨日の夜は何もなかった。


何もなくて良かった、と言えばほんの少し嘘になるけれど、私はキスとかそういうのがなくても十分幸せだった。


2つ並べた布団。

すぐ隣には柊がいる、それだけでこんなに幸せになれるんだから笑ってしまう。



眠りにつくまでたわいもないことを話して、気づいたらどちらが先かなんてわからないけれど眠りについていた。





「おはよう。」


薄く目を開いた柊に声をかける。



「ん〜・・・


わ、朱里さんがいる。」



寝惚けたかと思えば、
嬉しそうにそんなことを言うものだから。


やっぱり照れてしまう。
だって、おはよう、だなんて。



前にも一晩を過ごしたことがあるけれど、あの日は挨拶はおろか、書き置きすら残さず出て行ってしまったから。




「なんかいいね。
毎朝一番に顔が見れたらいいのに。」



「・・・っ、馬鹿じゃないの?」



強がってみせる。

本当は、恥ずかしながら、私もそう思ってしまったよ。



毎日おはようって言えたらどんなに素敵だろうって。



だけどそんなの、あり得ない。
だってそれってつまり、同棲しなくちゃかなわないことであって。


高校生と同棲だなんて、許されるはずがない。


だからね、無理だよそれは。
今日だけの特別だよ。






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