君は私の運命であって。
[プロローグ](1/2)
目が覚めて、
やらかした
と、思った。
私の隣で気持ちよさそうに眠る男の子。
黒い髪に、びっくりするほど整った横顔。
・・・知らない、だなんて
誤魔化せるはずがない。
だって昨晩のこと、嫌という程覚えている。
私は昨日彼と_________
「・・・ん、」
「、っ」
その時突然隣の彼が寝返りを打った。
いけない。
早く、逃げなくちゃ。
書き置きなんてものは不必要。
だって昨日のことは私にとっても君にとっても、間違いなんだから。
私はそこら中に散らばった私物を急いで身につけて、
彼を起こしてしまわないよう部屋から静かに飛び出した。
・・・ほんと、やらかした。
だけどもう、忘れてしまおう。
だって電話番号も、住所も、学校も、
苗字だって言っていない。
君はもう、どうしたって会いようのない人なのだから。
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