て が み
て が み (1/36)
『余命―――――1ヶ月』
そう告げられたのは俺の弟。
本人はまだ知らない。
ていうより、本人には知らされないらしい。
まだ14歳だからだって…。
桜ももう花を落とし、雨が多くなってきた6月の中旬…
暗く、薬品の臭いが漂う小さな部屋に呼ばれた両親と俺は、やけに真剣な顔をしている医者にそれを言われた。
そう聞いた母親は涙を必死にこらえているようで、父親も母親の肩を抱きながら俯いている。
その後ろで俺はそれを聞いていた。
けど
「あいつ、あと一ヶ月で死ぬんだ」
としか思わなかった。
悲しいなんて感情は全く沸かなかった。
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