6×6BLOCK【裏】


■FIRST CONTACT (1/1)

初めて接触する2人。





胡桃「カルト…くん?」



彼の表情や雰囲気から何かを感じとる私。


この感覚は……



カルト「うん。変なあだ名だよね(笑)自分でもあまり気に入ってないんだ。」



何故か手が震えてる。


なんで?



カルト「松山さんはこのクラスに来て2日目だよね?」


胡桃「うん。」



なんでそんな話をするのかな。


村上さんみたいにまたサイトの登録を勧めるとか?


十分ありえる。


なんか真面目そうな感じだし。



私は警戒心を強めながら彼との距離を保ち続けていく。



カルト「村上さんから説明を受けた?」



やっぱり……



胡桃「うん,聞いたよ。私…サイトも自己評価の意味もよくわからなくて,今は考え中だけど。」


カルト「そっか…。」



動揺する私は視線が中々定まらなくて


キョロキョロしてると


いつの間にか彼の右手に目が向いた。



胡桃「………。」



彼の右手には


黒の油性マジックとウェットティッシュ的なものが握られていた。


なんだろう……



カルト「きっと松山さんは驚いたかもしれないね(笑)このクラスにはルールがあるから。」



ルール?


ルールって……



カルト「このクラスにはイジメが存在しない。それは2ーAの皆がルールを守り,心を一つにしてるから。」



ちょっと意味不明かも。


急にイジメが存在しないって宣言されても困るよ。


何で私にそんな事を言うのかな。



胡桃「な,なんか凄いんだね(笑)前の学校ではイジメなんてなかったから,私はあんまりよくわからないかな。」


カルト「そうなんだ。幸せだったんだね。」



なんか怖い……



恐怖を感じた私は


苦笑いをしながらその場から動こうとすると


カルトくんは私を止める様に真剣な目で見つめながら言ったんだ。



カルト「あのさ……2ーAの仲間になったからには,松山さんもルールを守るべきだと思うよ。ルールを守らなかった佐藤さんはともかく,クラスメートたちはまだ松山さんの事を仲間だとは認めてないから。」



仲間だとは認めてない!?


なにそれ……


どういう事??


なんかおかしいよ。


それに


レイちゃんがルールを守れなかったって言ってたけど……



胡桃「なんか……変だよ(笑)ちょっと怖いかも。まだ私はこのクラスの事もよく知らないから。でも,クラスの一員になれるようには私も頑張るよ。ルールがあるなら,これから知って考えていくし。こんな風にしか答えれなくてごめん……」


カルト「そうなんだ。なんか怖がらしたみたいで……ごめんね。変な風には思わなくていいから(笑)でも,早く決断した方がいいかも。もしわからない事があったら僕が教えてあげるから何でも言って。」



カルトくんって


よくわからないけど


怪しい感じが凄くする。



胡桃「う,うん。私……もう帰るね!!」



そう言って


私は奇妙な空気から逃げ出す様にして教室を出て行った。



そして


震える手を握り締めたまま廊下を速歩きで進むと,B組の前で未来が待ちくたびれた様に立っていた。



未来「胡桃,遅いよ〜。」


胡桃「ごめん!!なんかちょっと色々あってさ。」


未来「色々?なになに??」



順調な未来には話したくない。


なんか本当にヤバそうだし。


私……


明日から大丈夫かな。


かなり不安。



胡桃「何でもないよ。早く帰ろ。」


未来「なにそれ(笑)変なの。」



私は今日一日で感じとった不安や恐怖を胸にしまい,学校を出ていった。





―――――――――――――――――――





僕は彼女がいなくなったのを見届けた後,消えた数字を机の裏に書き記しながら笑みを浮かべていく。



カルト「なんか凄いな……彼女(笑)」



まさにあの映画のシーンに似てる。


まるで天才精神科医のレクター博士の『闇』を見抜いたグレアム捜査官みたいだよ(笑)


あの目は何かを悟っているみたいだった。


岩垣さんの様にはいかないって事なのかな?


これからのシナリオが重要だね。


『天の目』はどうするのかな(笑)


楽しみ。





蒼真「おっ?カルトじゃん。何やってんの?」



カルト「!!!」





僕はその声に動揺し,手に持っていたマジックを床に落とした。



カルト「あ,新垣くん…別に何でもないよ(笑)机の落書きを消してただけだから。なんか結構残ってるんだよね。今の3年生がめちゃくちゃに使ってたみたいでさ。」



教室の入口に立っている新垣くんに視線を向けたまま


転がるマジックを冷静に拾っていく。



蒼真「お前って偉いよな。俺なら絶対しねぇーけど。」


カルト「だね(笑)自分の机に落書きを見つけて,気になって他の机も全部消してるって感じかな(笑)かなり暇人だよね。」


蒼真「なるほどね。カルトらしいよ。」



新垣くんは中学からの友達。


彼ほど天真爛漫な奴はいない。


高校になってからは髪も金髪になって随分変わったみたいだけど


でも,昔からの友情を決して忘れない情の厚い男。



蒼真「さっ,部活にも顔を出したし俺は帰るわ。」


カルト「まだサッカー部にいたんだね(笑)」


蒼真「一応在籍はね(笑)マジでめんどくせぇーけど先輩がうるさくてさ。SEVENって奴が辞めて俺が必要なんだって。ウケるだろ?俺を必要とするなんて,今のサッカー部は終わってる(笑)そういえばSEVENってA組だったよな?」



SEVEN……


ルールから逃げ出した腰抜け。



カルト「そうだよ(笑)学校には全然来てないけど。」


蒼真「そいつに会ったら言っとけ。俺が被害に遭ってるって(笑)じゃあ,またな。頑張れよ。」


カルト「あぁ。」



伝えとくよ(笑)


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