6×6BLOCK【裏】


■直感と混乱 (1/1)

胡桃の直感がクラスの闇を感じとる中,また彼と出会って混乱する。





私が視線を戻そうとした瞬間


隣の席に座っていたレイちゃんの


顔面蒼白で震えている姿が目に映って


動きが止まってしまう。



胡桃「!?」



その表情は凄く辛そうで


苦痛や恐怖を強く感じるほどだった。


私はあまりの事に驚いて


思わずレイちゃんに声をかける。



胡桃「だ…大丈夫?」


怜香「………。」



体調でも悪いのかな。


凄く苦しそう……


先生に言わないとダメだよね。



胡桃「きついなら私が先生に言おっか?」



そう私が言うと


レイちゃんは小刻みに震えながら


首を横に振り


小さな声で返事をしたんだ。










怜香「私がいけないんだ……。」










わ……


私がいけない!?



その言葉を聞いて


時間が止まる私。



胡桃「えっ……。」



そして


動揺する私を見ていたかの様に鳴り響くチャイムの音。


3限目の授業が終わりを告げ


皆が挨拶をした後


私はレイちゃんの言った言葉が気になって,傍まで近づいていった。



胡桃「レイちゃん…本当に大丈夫?」


怜香「う…うん。大丈夫(笑)ちょっと目眩がしただけだから。ごめんね。」



目眩?


そんな風には全然見えなかった。


意味深な言葉も言ってたし……


何かあったとしか思えない私。



胡桃「さっき私がいけないんだって言ってたけど……何かあった?」



村上さんが言ってたサイトや自己評価……


教室中に鳴り響いたあのバイブ音……


それにクラスメートたちの不自然な行動……


そして,レイちゃん……



私の心の中で何かを感じているのは確かだった。


でも



怜香「な…何でもないよ(笑)気にしないで。」


胡桃「………。」



昨日からこの学校に来たばかりの私は,レイちゃんともそんなに友達として関係が深まった訳じゃない。


だから,深入りする事もできないまま


気になるけど


私は納得するしか出来なかった。



胡桃「そっか…。あんまり無理しない方がいいよ。きついなら休んだ方がいいと思うし。」


怜香「あ…ありがと。」



不可解な事をたくさん感じた私は


自然と足が廊下へと進み


2ーAの教室から離れていく。



胡桃「………。」



なんか変な感じがする。


モヤモヤしたこの感じ。


私は幼い頃から変に直感的なものがあって


それでまた不安を強くさせる。



ただの気のせいかな……





【私がいけないんだ……】





それでも


まだ


あの言葉が頭から離れない。



胡桃「考え過ぎだよね。きっと……」



まだ2日目で気を張りすぎてるのかも。


別に気にしなくてもいいんだよ。


たまたまかもしれないし。


ダメ!!ダメ!!


また神経質になってる。


なんで私はいっつもこうなのかな……


もう!!!










蒼真「今日はなんか難しい顔してるね(笑)大丈夫?」










私が廊下で考え込んでいると


またあの甘い香りと共に


昨日のチャラ男が目の前に現れたんだ。



胡桃「でっ…でた!!!」



思わず驚いて自分の口から出た言葉。



蒼真「でた!!って何だよ(笑)俺はバケモンじゃないぜ。」


胡桃「チャ……。」



マズイ!!


思わずチャラ男って言いそうになってしまった。


軌道修正だよ胡桃!!!



蒼真「チャ?」



私のテリトリーを超えて傍まで踏み込んで来る彼。


距離が近いよ!!!


土足厳禁です!!!



ドクッ…ドクッ…ドクッ…ドクッ…



蒼真「チャって何?」



私の顔に爽やかな彼の顔が近づいてくる。


何故か昨日の事を思い出して顔が熱くなって赤さを増す私。



胡桃「チャ……チャンス!!!」



動揺して何言ってんの!!!


あわゎゎゎ……



蒼真「チャンス!?何だそれ。変な奴(笑)」


胡桃「べ,別に…こっちの話だし。だいたい何でまた私に話しかけてくるの?クラスだって別だよ?」


蒼真「興味があるから♪」



こっちには興味が無い!!!


いや…むしろ近づかないで!!!



蒼真「昨日も思ったけど…やっぱ可愛いね♪」


胡桃「へ,変な事言わないで。私は可愛くなんかないし。それに昨日からそうだけど初対面の人にそんな事を普通言う?」


蒼真「言う♪」



話が通じない!!!



胡桃「………。」



私が動揺して困っていると


教室から未来が走って出てきて


近づいてきた。



未来「胡桃が何で蒼真くんと仲良く話してるの?いつの間に!?ズルいよ!!私も入れて♪」



そういう訳じゃ……



蒼真「やっぱ姉妹?」


胡桃「うん…。」



そうですけど何か!?



未来「双子でぇーす♪こっちは松山胡桃って言うんだよ。よろしくね(笑)」


蒼真「胡桃ちゃんって言うんだ。なるほどね(笑)名前も可愛いじゃん♪」



勝手に私の名前を……


未来の馬鹿!!!



未来「これを期に仲良くなろう♪」



どんな期だよ!!!



蒼真「胡桃ちゃんとならマジで大歓迎だよ♪」


胡桃「いいえ,結構です。」



私はさっきまでの事も忘れるほど


チャラ男が現れたせいで


混乱していたんだ。


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