ラベンダーガール  今ごろ気づいたのかい(1/10)









めいは、
なかなかやってこなかった。

どうして来ないんだろう?

まちがえて、保健室にでも
行っちゃったのかな。

ありえるな。



…………




でも、ふと思いあたった。

1年の教室は、
こことは校舎が違ったなと。

俺のいる教室までやってくるには
連絡通路をふたつ
またいでこないといけない。

それに加えて
あの子の、あの脚力だ。

たぶん俺の歩く速度の3倍かかる。

もういいや、気長に待つから。



「(あちー……。)」



俺は、せめて
部活着に着替えておくかと思い、

椅子に腰かけたまま、
ワイシャツを脱ぎ捨てた。



「(…………。)」



でもそのまま
何もする気になれなかった。



窓から吹く風が
上半身の肌にあたった。


俺は蒸し暑い教室の空気を吸った。

とてもじゃないが
好きになれない匂いだった。



目をつむった。

誰もいない教室の中で。

セミの声が聞こえた。






- 43 -

backnext
BOOKMARK
/204 n


⇒作品艫激rュー
⇒モバスペ脾ookト

編集

TOP