ラベンダーガール  実にそんな気がしてくるだろ(6/6)





放課後までの時間は長かった。


ただでさえ退屈なリーディングの授業は
2時間ぶっ通しで行われ、

若くてやる気のある女性教諭は

「夏期講習には全員参加してよね。
大学落ちても知らないんだから」と

この授業内で3回は言った。


「おまえの講習なんか誰が参加するかよ」
とは思うが、
まあ参加票はすでに提出済みだった。

そんなものだ。


山のような課題を押し付けられ、
配られた数十枚に及ぶプリントを
ホチキスで留めて、鞄に投げ込んだ。



……。」



簡単なH・Rが終了してしまうと、
いよいよ俺は、めいを待つことになった。


本当に来るんだろうか?
あのお嬢さんは。


このクラスは全員部活に所属しており、
チャイムが鳴るのとほぼ同時に
誰もが教室から出て行く。

俺だっていつもはそうなのだが、
本日はいたしかたない。


「めいちゃん、来ねえな」


待つことが苦手な
トトは早々に音を上げた。


「飽きた。
いいや俺、先に部活行く。

部長にはうまく言っておくから
ミキは、めいちゃんと
好きなだけ話してくればいいよ」


……トト……


「そんな顔するなよ、ミキ。
心細いのは分かるけどさ」


「心の底から幻滅してるだけだ」


Later!」



トトは、にこやかに目を細めて
颯爽と廊下を駆け抜けていった。


俺は放課後の教室に
ぽつねんと取り残された。






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