ラベンダーガール  ちょっとどいてね(1/8)










「ミキちゃんの目、治ってきたね」

「うん」

「よかった…」

「ふん」


向かいの席に腰掛ける、
クラスメートの女の子は
俺の目の上のガーゼを優しくさわった。

白い指だ。つう、と
爪の端で、ガーゼの上を伝ったあと
怪我をしていないところまで
ほんの少しくすぐってきた。


「やめろよ」

「だって」


別にいいけどさ。

たぶん、クラスメートのほとんどが
俺の目の上の傷を一度はさわったと思う。

みんなは、誰かが
病気や怪我になるのが好きだ。



「ミキちゃんって、肌がきれいね」

「きみもトマトを食べればいいのさ」



時刻は13時、昼休みの時間、

俺は女の子がくれたヨーグルトと、

自分で保冷バッグに入れてきた
冷しトマトをタッパーから開けて
そのまま食べていた。





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