ラベンダーガール  それについてはノーコメントなので(1/7)









昇降口へ向かう、
がらんどうのスノコ道を
音を鳴らして歩く。

廊下の窓から外を見上げると、
空はまだ青かった。

夏期休業も近づく7月中旬、
東京の夕暮れは
まだ遠い。



俺と星野は
しばらくだんまりしたまま、
思い思いに足を動かした。


たどりついたところで、
口を開くタイミングがあった。


「あー…。
なんか、ごめん」


で、なんか、
初対面の人間が
いちばん口にしやすい
二大用語を
言ってしまった。


「なんか」と「ごめん」。


なんで謝ってんだよ。俺が。
まあいいや。
言っちゃったものは仕方がない。


「い、い、いえ」


星野は小さな口を動かして、
何かにおびえるかのごとく
指先を震わせながら
靴箱のローファーを出した。


俺がさっさとスニーカーを履いて
立ちすくしてしまうと、

星野は、まあもたもたと
ローファーに片足ずつ足を入れて
かかとに指をいれて、
腰をまげた拍子に…
俺にパンツをチラ見せしてくれる。

ど天然なんですかね。

俺は「持つよ?」と言って
星野のカバンを持って
それからもう片方の腕を差し出した。


「ああ、あ…」


星野は
俺の腕にちょんと掴まって
どうにかこうにか
ローファーを履き終えた。






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