Lasting Lover
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絋がツアーに行ってから、毎日の様に電話が掛かってくる。
「もしもし?」
「俺?今、ライブ終わった。まじ最高なんだけど。」
「絋…テンション高い?」
「ヤバい興奮してる。」
絋のテンションの高さにクスクスと笑う。
「光…まじで逢いてぇ…。」
絋の言葉に頬が熱くなる。
「私も…絋に逢いたい…よ。」
「バカ…。」
絋がそう言うと電話が切れた。
怒った?って不思議に思ってると、メールが来た。
絋がメンバーとツアーTシャツを着た写真が張り付けられてた。
――光の写メも送れよ?――
そんな写真に頬を緩ませる。
こっそりと写メを保存して、自分の写メを撮ろうとかと悩む。
「う…どうしよ…。」
鏡に映る自分をスマホで収める。
メールを送ると、絋から再び電話が掛かってきた。
「もし…もし?」
「俺。」
「うん。」
名前を言わない事に少し笑いそうになりつつも、声に応える。
「写真見た。」
「恥ずかしいから消して。」
「余計に会いたくなった。光…明後日、移動の中日で東京に帰るから、会えねぇ?」
「会いた…い。」
「ん。また、連絡する。んじゃ、これから打ち上げ行くわ。おやすみ。」
毎公演、打ち上げしてて疲れないのかな…なんて思いつつ、時計を見ると23時過ぎ…。
やっぱり、時間感覚も違うのか…。
ファンだった時より、確実に絋を好きになってる…。
画面越しに見てるだけで満足だったのに…欲張りすぎたからかな…?
こんな簡単に裏切られるなんて思わなかった…。
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◇編
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