鬼恋繚乱 其ノ二
[十四](1/11)
「雪乃。」
翡翠を部屋に部屋に引きずり込んだらすごくしょんぼりした声で名前を呼ばれた。
「ん?何?」
と聞けば肩から顔を上げて私を見つめる。
子犬のような眼差しは私の胸を撃ち抜くには十分すぎだわ。
「今日は俺様と寝てくれよ。」
翡翠にそんなことを言われておでこを頬にすり寄せられたら諾かない人なんていないよね。
「わかった、いいよ。」
それより私また着替えないといけないのよね……。
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