鬼恋繚乱 其ノ二
[三](1/9)
スーッと開かれた障子から布団と着替えを持った影虎が現れる。
「ありがとう、影虎。」
影虎の袴が汚れてる。
私あんな高そうな着物を返す事なんて出来ないよ。
「あぁ、礼などいらん。」
頭を撫でられ見つめられる。
だけどその瞳に浮かぶあなたの切なさは何?
「立てるか?」
そんな表情を隠すように影虎が私に話しかける。
「……うん、立てるよ。」
その言葉と立ち上がり布団から出ると影虎は親切にも布団を引き直してくれた。
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