鬼恋繚乱 其ノ二
[二](1/6)
「新しい布団と着替えを持ってくる。ここでおとなしくしているのだぞ?」
こんなに血だらけでは眠れないからな。
「うん……ありがとう。影虎。」
またこの笑みが見られたのだ、もう何も望まぬ。
「じゃ、俺は飯持ってくる!」
翡翠は本当に阿呆か?
さっきまであんなに血を吐いていたのだぞ?
「まだ喉を通らんであろう、察しろこの阿呆。」
翡翠……雪乃が助かったのはお前のおかげだとしても許せん。
雪乃の唇を奪うなど言語道断であるぞ。
「やかましい!別に食わなきゃ食わないでいいっての!持ってくるだけ持ってきたっていいだろうが。」
この落とし前はいつか必ずつけてくれる。
楽しみにしておると良い。
「そうか、勝手にしろ。」
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