永久(とわ)にあなたを
[第十七章〜訪れる幸せに〜](1/18)


どんなに悲しい出来事があったとしても、時は流れていく。山南の死から半年ほど経ったが、平和な日々が続いていた。


春には土方と共に梅を見に行くことも出来たし、幹部の皆や鈴と花見にも行った。


穏やかな日常に幸せを感じながらもこれがいつまで続くのかと、不安を感じることもあった。


この不安は未来から来たからこそのもの。歴史を知っているから。


しかし、不安に襲われても諦めることだけはしたくなかった。自分のやれることは精一杯やって、大切な仲間を守ろうと決めていた。


そんなはづきを今最も悩ましているもの。それは…。


「はづき、頼む!お前しか頼めないんだよ。な?お願いだよ!」


何度も頭を下げ、懇願し続ける原田だった。


「いや、私じゃ何も出来ないと思いますけど…。」



渋るはづき。しかし、原田もめげない。


「お前しかいないんだよ!新八も平助も頼りになんねぇし、斎藤は専門外だし、総司や土方さんに言ったら馬鹿にされるだけなんだよ。頼む!」


両手を合わせ、このままでは土下座までする勢い……。



はづきは深いため息を吐いた。



「分かりました。協力はしますけど上手くいくかは知りませんよ?」



原田のしつこさと、日頃の恩もあることから遂に承諾してしまった。これが後に混乱を引き起こすとは知らずに…。









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