永久(とわ)にあなたを
[第十二章〜出会いと別れ〜](1/26)
「うわぁ…。綺麗。すごいですね土方さん!早く行きましょう。」


季節は過ぎ、春。


はづきは土方と二人で花見に来ていた。目の前には美しい梅の花。


「馬鹿、そんなに引っ張るなよ。大体、焦ると転ぶぞ。」


「大丈…。きゃあっ!?」


言われたそばからつまずき、転びそうになる。それを間一髪で受け止めた。


「はぁ…。だから言ったじゃねぇか。気をつけろよ。」


「うっ…。すいません。だって、綺麗だし、それに最近ずっと袴だったから…。」


今日は以前土方からもらったあの着物を身にまとっていた。短く切った髪も少し伸び、ひとつにくくっていた。


今のはづきはどこから見ても女。土方はそれを自分以外の男に見られるのが嫌だった。








- 185 -

前n[*][#]次n
/410 n

⇒しおり挿入


⇒作品?レビュー
⇒モバスペ?Book?

[編集]

[←戻る]